KERING(ケリング)、あまり馴染みのない言葉ではないでしょうか??いったい何なのでしょうか?正解はラグジュアリーブランドグループです!聞いたことない?それもそのはず、2013年までは「PPR(ピノー・プランタン・ルドゥート)と呼ばれていました。LVMHと並び称されるほどのブランドコングロマリットですが、どのような企業なのか、その傘下ブランドにはどのような企業があるのでしょうか?また傘下ブランドへの転職方法は?この記事で徹底解説したいと思います!
KERING(ケリング)とは?
「KERING S.A.(ケリング)」は、フランス・パリを本拠地とするファッションコングロマリットである。イタリアの高級ブランドであるグッチを中心に、主にヨーロッパのファッション・宝飾関連のブランドを多数所有している。
Wikipediaより引用
- 傘下ブランド:10+アイウェア ※2023年5月現在
- グループ売上高:約203億ユーロ(約2兆8500億円)※2022年度
- グローバル従業員数:4万7000人以上 ※2022年度
LVMHグループと比較すると小規模感は否めませんが、いま飛ぶ鳥を落とす勢いの人気ブランドが揃っています。世界売上は約3兆円弱、日本企業の積水ハウスや住友化学、旭化成などに匹敵する数字です。ブランド業界、あなどれないですね。
KERINGの歴史
様々な魅力的なラグジュアリーブランドの企業体であるKERING(ケリング)とはどのように成長してきたのでしょうか。今は10ブランド程度の比較的小規模なグループの印象ですが、その歴史を辿ると今に至った経緯を理解すれば、幾多のブランドの買収と売却を経て、現在の筋肉質とも言える体制に落ち着いたことがわかります。この記事ではKERING(ケリング)の歴史を紐解いていきます。
始まりはフランソワ・ピノー
元々はFrancois Pinault(フランソワ・ピノー)氏が1963年に20代で立ち上げた木材会社が源流。その後同業者を買収し事業規模やその領域を拡大し、1990年代に入り小売りのプランタンを買収、老舗通販会社のラ・ルドゥートの株式を保有するなどして、1991年にPPR(ピノー・プランタン・ルドゥート)と社名を改めました。
1995年にはピノー氏が招いたセルジュ・ヴァンベルグがCEOに。
1999年、グッチとの戦略的な提携によりグッチ グループを設立。またピノー氏の持ち株会社アルテミスによるイブ・サンローランの親会社サノフィを買収します。PPRが「イブ・サンローラン リヴ ゴーシュ」および香水部門をグッチ グループに売却。
トム・フォードとドメニコ・デソーレの時代
グッチ一族の抗争によりブランドが衰退。
2001年グッチとイブ・サンローラン リヴ ゴーシュ兼任でトム・フォードがデザイナーに就任。
トム・フォードによりグッチが復活。
2004年グッチ グループをPPRの子会社に。トム・フォードとドメニコ・デソーレがグッチを辞任。
買収と売却の果て
2005年ピノー氏の息子であるフランソワ・アンリ・ピノー氏がCEOに。
2006年にプランタンを売却。
2007年プーマを買収。
2008年ソーウィンドグループと資本提携ジラール・ペルゴやジャン・リシャールを傘下に収め時計事業を強化。
2013年社名をケリングに変更。
2018年プーマがグループを離れる。
2022年ソーウィンドグループを売却。
このようにして現在のケリングが出来上がりました。個人的にはトム・フォード時代のグッチが好きでした。今までのグッチのテイストにロックの要素を取り入れたとされていますが、万人受けするデザインでファン層を増やしたと思います。筆者はトム・フォード時代にイブサンローランでバッグを購入しました。今でも現役で活躍しています。プーマの加入と売却も『?』な印象です。しかし、規模は小さいとはいえ、世界3大ラグジュアリーコングロマリットの一角を占めるケリングは、業内内では非常に存在感がありますね。
傘下ブランド一覧
ここではケリング傘下のブランドを一覧にしています。「ファッション&レザーグッズ」と「ジュエリー」そして「ケリング アイウェア」の3セクターで構成されています。
- ファッション&レザーグッズ・・・6つのファッションブランドが軒を並べます。昨年11月に発表された「グッチ」のクリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレの退任もセンセーショナルで話題でした。
- ジュエリー・・・個性的な4ブランドが所属しています。老舗と新興が同居し、個性を引き出しあっています。
- ケリング アイウェア・・・ケリング傘下のブランドとリシュモン系列の一部ブランドのアイウェアのデザイン、開発、販売を行っています。
ファッション&レザーグッズ
- GUCCI(グッチ):創業1921年
- SAINT LAURENT(サンローラン):創業1961年
- BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ):創業1966年
- BALENCIAGA(バレンシアガ):創業1917年
- Alexander McQUEEN(アレキサンダー・マックイーン):創業1992年
- Brioni(ブリオーニ):創業1945年
ジュエリー
- BOUCHERON(ブシュロン):創業1858年
- Pomellato(ポメラート):創業1967年
- DoDo(ドド):創業1994年
- Qeelin(キーリン):創業2004年
ケリング アイウェア
- LINDBERG(リンドバーグ)
- Maui gim(マウイジム)
- ZEAL OPTICS(ジールオプティクス)
- GUCCI(グッチ アイウェア)
- Cartier(カルティエ アイウェア)
- SAINT LAURENT(サンローラン アイウェア)
- BOTTEGA VENETA(ボッテガ・ヴェネタ アイウェア)
- BALENCIAGA(バレンシアガ アイウェア)
- Chloe(クロエ アイウェア)
- Alexander McQUEEN(アレキサンダー・マックイーン アイウェア)
- MONTBLANC(モンブラン アイウェア)
- dunhill(ダンヒル アイウェア)
- BOUSHERON(ブシュロン アイウェア)
- Pomellato(ポメラート アイウェア)
- ALAIA(アライア アイウェア)
- MCQ(マックQ アイウェア)
- PUMA(プーマ アイウェア)
追記
2023年7月下旬、こんなビッグニュースが飛び込んできました!
今のところは株式の30%の取得に過ぎないため、「ヴァレンティノがケリング傘下に!」とは言えないでしょうが、契約にはケリんぐが28年までにヴァレンティノの株式100%取得のオプションも含まれているとのことで、この戦略的な提携の先にはヴァレンティノが完全にケリンググループ参加になる可能性を秘めています!より強固な体制になりそうですね!楽しみです!
KERING(ケリング)グループへの転職方法
ケリンググループへの関心が一層高まったところで、どのようにすればこのケリング傘下のブランドに転職できるのでしょうか。筆者はラグジュアリーブランドの現役販売員ゆえ、販売スタッフに限りアドバイスはできますが、その他の職種、本社スタッフの転職方法などは別サイトのそれにお任せします。
ケリンググループの各ブランド販売員への転職方法は、結論「転職エージェントを活用する」です!もちろん公式サイトに求人情報が掲載されているブランドもあります。しかし、一般的にはラグジュアリーブランドの求人は非公開が多く、一般的なルートでは求人すら探せないこともあります。そこで活用したいのが、「ラグジュアリーブランドの転職に強いエージェント」。多くのラグジュアリーブランドの求人を保有し、人事担当者とのパイプも持っていて、面接の日程や対策、年収交渉もしてくれます。何とも心強いですね。そんなエージェントに登録するのって難しいのでは??と思っているあなた。答えは簡単です!しかも無料!詳しくはこちらの記事をご参照ください。
まとめ
以上、ラグジュアリーブランドのコングロマリット「KERING(ケリング)」について解説しました。あの「GUCCI」や「SAINT LAURENT」もその傘下とは知らなかった人も多かったのではないでしょうか。転職先としてもとても魅力的な傘下ブランド。グループの概要を知り、ご自身の転職活動にお役立てください。最後までお読みいただきありがとうございました。